●定員を超えたため、受付を終了しました●
現代総有研究所発足記念・トークイベント
「地域社会圏」と「現代総有」
−個人・社会・空間をつなぐ新しい考え方−

 

2018年9月1日(土)15:00〜17:00
法政大学 市ヶ谷キャンパス 大学院棟の202教(定員40名)
東京都新宿区市谷田町2-15-2
資料代:1,000円
 

 

 
 人口減少と少子高齢化、東京への一極集中に代表される都市部と地方の格差拡大、グローバル化が進む中での産業動向や、2020年東京オリンピックを見据えた景気動向とその行方等、将来の社会状況は決して明るいとは言えず、一層深刻さと不透明感を増していると考えます。
 そのような中、本来一番尊重されるべき個人と、個人と個人の結びつきは一貫して解体される過程にあったといえます。多発する犯罪や災害への対応等を引き合いに出すまでもなく、個人と個人の結びつきや新たな社会像を、形として構築されることが求められており、事実、多くの試みや実践が進みつつあります。 
 都市・建築をはじめとする空間のあり方についてもそれは同様であり、既存課題の解決のために、住まい方、地域管理、空間形成等、新しい手法の提案が続々と産まれています。これらの動きは、いわゆる政策としての「地方創生」、「コンパクトシティ」、「国土強靭化」等といった範疇に留まるものではなく、むしろそれらを超えた方向性を志向しており、またその可能性を秘めていると考えます。
今般、個人と個人のつながりと社会の在り方を、主に空間の観点から研究する組織体として「現代総有研究所」を設立したのを機に、これまで個人と社会、そして空間のあり方について、「地域社会圏」、「脱住宅」をキーワードに、多数の実作品と著作を通じ積極的に発言されてきた建築家の山本理顕さん、仲俊治さんをお招きし、研究所代表の五十嵐敬喜もあわせ様々な観点からその哲学を伺います。
 

内容

冒頭、山本、仲、五十嵐の3氏から近年の空間のあり方に係る問題意識を語って頂き、近年のトピックも端緒としながら、聞き手の素朴な疑問でもある以下のテーマについて、時間の許す限り、自由に語って頂きます。
テーマ1:一軒家住宅の所有というスタイルと、集合住宅の未来
テーマ2:地域管理の手法と範囲
地域コミュニティはどこまで空間を管理できるか。「地域社会圏」と「現代総有」の近似性、可能性と限界
テーマ3:責任の所在
「地域社会圏」・「現代総有」と地方自治体と国家
テーマ4:「制度」の意味
「制度・法律」をどう捉えるか、可能性と限界、官僚機構との向き合い方
テーマ5:「共同体と建築」
共同体と様式、新しい「共同体」のシンボルとは
テーマ6:「空間」に対時する「市民」・「大衆」のあり方
傍観・受動、そして参加
テーマ7:専門家とエリート
聞き手 竹野克己 法政大学大学院 公共政策研究科 博士後期課程(社会人大学院生)
 

お申し込み方法

「9月1日申込」と記載の上① お名前(必須)、② ご年齢(任意)、③ ご所属(任意)を記したメールをお送りください

 

プロフィール
山本理顕(やまもとりけん)

 1945年生 建築家 東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了 1973年山本理顕設計工場設立 2007〜11年横浜国立大学大学院教授 2018年度から名古屋造形大学長
主な作品に、埼玉県立大学、公立はこだて未来大学、横須賀美術館など。チューリッヒ、天津、北京、ソウルなどでも複合施設、公共建築、集合住宅を手掛ける。
1998年、2002年日本建築学会賞、1998年毎日芸術賞、2000年日本芸術院賞など受賞多数
主な著書に『地域社会圏主義』(2012・仲俊治らとの共著・LIXIL出版)、『権力の空間/空間の権力』(2015・講談社メチエ)、『脱住宅』(2018・仲俊治との共著2018・平凡社)など多数 山本理顕設計工場 http://www.riken-yamamoto.co.jp/
 

仲 俊治(なかとしはる)

1976年生 建築家 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了 2001〜2008年山本理顕設計工場勤務を経て、2009年建築設計モノブモン(現・仲建築設計スタジオ)設立 2009〜11年横浜国立大学大学院Y-GSA設計助手 2016年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館出展
主な作品に、食堂付きアパート(2014年グッドデザイン金賞受賞、2016年日本建築学会新人賞、2015年吉岡賞)、上総喜望の郷おむかいさん(2017年千葉県建築文化賞優秀賞)、白馬の山荘(2015年JIA環境建築賞優秀賞、2013年長野県建築文化賞優秀賞)
著書に『地域社会圏主義』(2012・山本理顕らとの共著・LIXIL出版)、『脱住宅』(2018・山本理顕との共著2018・平凡社)
仲建築設計スタジオ http://www.nakastudio.com/
 

五十嵐敬喜(いがらしたかよし)

1944年生 法政大学名誉教授・弁護士、元内閣官房参与
著書に『美の条例〜いきづく町をつくる』(1996・共著・学芸出版社)、『美しい都市をつくる権利』(2002・学芸出版社)、『美しい都市と祈り』(2006・学芸出版社)、『都市再生を問う』(2003・小川明雄氏との共著・岩波新書)、『国土強靭化批判』(2013・岩波ブックレット)、『現代総有論序説』(2014・共著・ブックエンド)、『現代総有論』(共著・2016・法政大学出版局)、『世界遺産 ユネスコ精神 平泉・鎌倉・四国遍路』(共著・2017・公人の友社)、『世界遺産富士山の魅力を生かす—信仰の対象と芸術の源泉』(岩槻邦男、西村幸夫、松浦晃一郎との共著・2018 ・ブックエンド)ほか多数
現代総有研究所 http://www.soyuken.jpn.org